終活と共に注目を集めているエンディングノート。
人生の終わりに向けて身の回りの整理だったり、亡くなったあとに残された人たちの為など様々な理由でエンディングノートを作成する方が最近増えてきています。
そこで今回はエンディングノートとはどういうものなのか、書き方や遺言書との違いなどについて詳しく解説して行きたいと思います。
エンディングノートとは
エンディングノートは、自分が亡くなった時に家族や友人など親しい関係の相手に読んでもらう為のノートです。
生きているうちに死んでからの事を書くなんて…という見方もありますが、エンディングノートは決して後ろ向きなものではありません。
エンディングノートはこうでなければならない、という決まりは特にありませんが、これまでの自分の人生を振り返ったり、亡くなったあとにお願いしたいことなどを書くのが一般的です。
たとえば自分が他界した事を知らせてほしい相手のリストであったり、葬儀に呼んでほしい相手、お墓の事や財産など自分ではできない事を家族にお願いするのもエンディングノートの使い方の一つです。
残された家族の為に
親族が亡くなれば誰でも悲しむものです。
しかし、そこにエンディングノートがあって生前の思い出や感謝の気持ちなどが綴ってあれば、少しは気持ちが救われるのではないでしょうか。
また、葬儀やお墓や生前利用していたさまざまなものについてどう処理してほしいかを書いておくと、遺族の負担が軽減されます。
最近は個人のSNSアカウントをどうするかと言った問題もありますので、エンディングノートにそのように対処してほしいか書いておくのも良いでしょう。
書いてあると良い事
エンディングノートに書き方の決まりはありませんが、残された家族の方の為に、書いてあると良い事をピックアップしてみました。
財産
預貯金や不動産、現金などがどこにあってどうしてほしいかを書きます。
いわゆる「お金の終活」というものですね。
場合によっては遺産相続となる事もありますので、大きな財産がある方はエンディングノートではなく法的効力を持つ遺言書を残した方が良い場合もあります。
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また、財産状況等により異なりますが、相続税を節税する方法として「生前贈与」という方法もあります。
SNS
TwitterやFacebook、その他のSNSアカウント等をどうするかも書いておいた方がよいでしょう。
例えば亡くなった事をSNSを利用して代理投稿し、周囲に知らせると言うことも可能です。
ちなみにFacebookには亡くなった方のアカウントの為に2つの機能が準備されています。
追悼アカウントのリクエスト
もし友人や家族が亡くなった場合、申請をする事でそのカウントは「追悼アカウント」になります。
追悼アカウントになると他のユーザーがログインしたりする事ができないようになります。
追悼アカウント管理人の設定
亡くなった後で申請して追悼アカウントにするのではなく、事前に自分で設定する方法です。
この場合、自分が亡くなった場合に誰を追悼アカウントの管理人にするかを決める事ができます。
友人リスト
亡くなった事を知らせる友人や知人の連絡先リストがあると非常に助かります。
普段から交流が深い方なら家族でも把握できていますが、それ以外の人間関係は意外と家族でもわからないものです。
保険やいろいろな契約
契約関係は一覧になっていると、あとの対処が簡単になります。
保険やローン、その他のいろいろなサービスなど契約しているものは亡くなった後には契約をしなくてはいけませんが、本人が何を契約していたかがわからなければ解約の手続きができません。
解約できていなかったことで、不要な料金請求を受けてしまうという事態を避ける為にも、解約してほしい契約などはまとめておきましょう。
携帯電話やインターネット関連
SNSアカウントや契約関連とほぼ同じですが、携帯電話やその他インターネットで使っているサービスなどについてもわかるようにしておくと良いでしょう。
葬儀・お墓
時折葬儀の方法やお墓の事で親族がもめたりします。
自分が亡くなった後に揉め事が起こるのは決してうれしい事ではありませんので、そんな事になるくらいならあらかじめ自分の意思をエンディングノートに書き記しておけばいいかもしれません。
葬儀をどんな風にしてほしいのか、あるいはそもそも葬儀を行ってほしくないのか。
お墓もどこのお墓にいれてほしい、または海に散骨してほしいなど希望を書いておくことで、遺族が悩むこともなくなります。
また、近年親の葬儀費用負担について兄弟で揉めると事態も増えているようです。
もしそう言った可能性が考えられる場合は、葬儀費用についてもノートに書き記しておけば揉め事を避けられるかもしれません。
感謝
生前面と向かって言えなかったことや、これまでの感謝などを書いておくのもエンディングノートの役割です。
エンディングノートと遺言書の違い
エンディングノートと遺言書を混同してしまっているケースがありますが、エンディングノートと遺言書は別物です。
具体的に違う点をご覧ください。
遺言書 | エンディングノート | |
---|---|---|
法的効力 | あり | なし |
書式 | 自筆 | 自由 |
内容 | 自由 | 必要事項を記載 |
費用 | ノート代 ペン代 | 数千円~数万円 |
法的効力
遺言書には法的効力がありますが、エンディングノートにはありません。
ですから、エンディングノートに書いてあることを必ずその通りに実行しなくてもなんら問題はないのです。
書式
遺言書は基本的に自筆でなくてはなりません。
また、日付や氏名に押印がないものは法的に無効となる場合があります。
エンディングノートは特に書き方に決まりがありませんので、好きな書き方ができます。
自筆で書いてもいいですしパソコンやワープロで作成しても問題ありません。
ノートにはなりませんが、例えば文字を書く事が厳しい場合は動画や音声に内容を残すこともできます。
遺言書の場合は今の所動画や音声は認められていないので、法的効力がないものとなってしまいます。
内容
遺言書は法的効力を持って財産やその他の事をどうしてほしいか書き残すものです。
その為必要ない内容は書きません。
エンディングノートは何をどう書こうと自由です。
費用
エンディングノートはノートとペンさえあればかけます。
遺言書も自筆なので紙とペンは必要ですが、それ以外にも作成費用が発生する場合があります。
その代わりきちんと専門家に内容をチェックしてもらい、法的効力が認められるものを作成する事が可能です。
また、遺言書は種類によっては公証役場で保管してもらうことができますので、改ざんや紛失の心配がありません。
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エンディングノートの書き方
繰り返しになりますが、エンディングノートに書き方はありません。
好きなように書きたい事を書いてよいのです。
ただ、そうは言っても何を書いてよいかわからない、という場合もありますよね。
そういう時には市販されているエンディングノートを活用してみてはいかがでしょうか。
コクヨ エンディングノート もしもの時に役立つノート B5 LES-E101
コクヨのエンディングノートは、もしもの時の為に情報がまとめられるように作られています。
あらかじめ項目があるので、順番に埋めていけばいいだけなので簡単にエンディングノートを作成する事ができます。
購入してそのまま使うのもいいですし、ノートを別に購入して内容だけ参考にすると言う使い方でもいいかもしれませんね。
また、最近ではスマートフォンアプリで書けるエンディングノートもあります。
詳しくは下記でご紹介しています。
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エンディングノートは少しずつ書いていく
エンディングノートは作成してみるとわかりますが、思った以上に書く事が多いです。
いきなり書き始めても1日2日では書き終わらないでしょう。
ですから、エンディングノートを作成する場合には時間をかけてゆっくり書くのがポイントです。
また、書いていくうちにより考えがまとまってくるかもしれませんので、その時にはすでに書いた部分を訂正したりしながら完成させて行きます。
エンディングノートは何も死期がわかってから書くものではありません。
いずれくる人生の最後に向けての備えなので、早く書き始めて悪い事はないのです。
エンディングノートのテンプレート
エンディングノートもパソコンで作成したいという方には、無料でダウンロードできるテンプレートがありますので下記を参考にしてみてください
ラプラージュ総合法律事務所
http://lp-law.net/endingnote_startingnote.html
百人百想
http://www.100sou.jp/100sou-endingnote.html
ヤマトホームコンビニエンス
http://www.kuronekokaiteki.jp/service/#/convenience/service_item19/
日刊葬儀新聞
http://recordasia.co.jp/funeral/free_endingnote.php
まとめ
人生の最後をまとめるエンディングノートは、自分の為でもあり家族の為でもあります。
エンディングノートを作成する事で冷静に自分の人生を振り返ることができ、家族や友人への感謝の気落ちを再確認できるのです。
また、亡くなった後に家族が困らないように必要な情報を書き記しておくと負担が減るのでおすすめです。
エンディングノートとして残すかどうかは決められていなくても、一度自らの人生をまとめるノートといて書いてみてはいかがでしょう。