終活にお金はつきものです。
エンディングノートを書くことだけが終活ではありません。
もちろんエンディングノートはお金の面も含めて終活に役立つツールではありますが。
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預貯金や不動産といった大きな財産を持っている方はもちろんですが、そうではない方も終活をするにあたってはお金の整理も必要になってきます。
というのも、故人の財産状況については、亡くなった後に一体どれくらいの財産があるのかを他人が把握することは非常に難しいのです。
財産状況を調べたりする苦労を親族に負わせない為にも、終活の一環としてお金の整理はきちんと行っておきましょう。
お金の終活とは?
お金の終活とは、自分のお金に関するものを整理することです。
そして、自分が他界した後に残るお金や財産をどうするのかあらかじめ決めておく事が必要になります。
現金や預貯金
自宅にタンス貯金をしている方は、どこにどれくらいの現金があるのかがわかるようにしておきましょう。
きちんとわかるようにしておかないと、不用品と一緒に捨てられてしまう可能性があります。
また、銀行などの預貯金についてもどこの銀行にいくらくらいあるかを整理します。
特に複数の銀行に口座を持っていてお金を預けている場合、本人でないとすぐに把握できないことが多くなります。
金融財産
現金以外にも株式や積立、金など資産を持っている場合、どういった形でどこにどれくらいの資産を持っているかリストアップしておきます。
ローンや借金
返済中のローンや借金についても整理する必要があります。
借金の場合はちょっと他人や身内に知られるのは恥ずかしいという気持ちもわかりますが、本人が亡くなった後その処理をするのは残った遺族です。
無駄な手間をかけさせない為にもきちんとわかるようにしておきましょう。
ちなみに、親の借金は親が亡くなった後に子供が返済する義務はありません。(連帯保証人などになっていれば別)
金融業者がもしかしたら親の借金は子供が返済するべきなどと言ってくるかもしれませんが、法的にそのような義務はないので惑わされないようにしましょう。
不動産
自宅を所有している場合は相続などの手続きが必要になります。
投資用や自宅以外の不動産を所有している場合も同様です。
兄弟や親族が複数いて不動産をいくつか持っている場合などは、だれがどの不動産を相続するのかについて揉めることもありますので、あらかじめどうするかを決めておき、できれば遺言書などを作成して法的な効力のある書類を残しておいた方が後々もめ事にならずに済みます。
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保険
保険は解約手続きをしないと保険料がかかってしまうことがあります。
また、死亡保険や解約時にお金が戻ってくることもありますので、加入している保険の保険証券をきちんと残しておきましょう。
相続や贈与をする場合
残された遺族に渡す財産がある場合、相続や贈与を行います。
まだ生きているうちに自分の財産を渡す場合は生前贈与となり、死後に渡す場合は相続となります。
相続
亡くなった故人が持っている財産を遺族などに渡すことを相続といいます。
遺産を相続するためにはまず、どこにどれだけの財産があるのかを把握しなくてはなりません。
これが意外と時間と手間がかかるものなので、終活の際には自分の財産をすぐに把握してもらえるようにリスト化しておくのがおすすめです。
また、配偶者や子供にのみ相続するのであればいいですが、それ以外の相手にも相続をしたい、あるいは複数相続人がいてだれにどの財産を相続させるかを自分できちんと決めておきたい場合は遺言書を作成しておいた方が良いでしょう。
財産が大きい場合にも、相続でトラブルを発生させない為には弁護士など立ち合いのもと、法的に認められた遺言書を作成するのが安全と言えます。
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ココに注意
生前贈与
簡単に言ってしまうと亡くなってから渡す予定の財産を生前のうちに渡すということで、結果的には遺産相続と同じです。
ではなぜ生前贈与をするのかというと、平成25年に改正された税制によって贈与税が変わったからです。
この税制改正によって、贈与税の方が相続税よりも低くなったことで、生前贈与を行うケースが増えたのです。
同じだけの財産を渡すのでも、すべて遺産相続するより一部を生前贈与して、亡くなった際に残りの財産を相続する方が節税できるのです。
終活の予算はどれくらい?
これから終活を行うにあたり、どれくらいお金がかかるのかについてです。
終活は何をどこまでやるかによりますが、最も簡単な終活方法のひとつにエンディングノートの作成があります。
エンディングノートは、別に法的な効力のあるものではありませんので、どんなノートに書いても構いません。
ただ、最近はいろいろと情報をまとめやすく作られたエンディングノートが売っていますので、こういうノートを使ったり購入して作成の参考にする方も増えてきているようです。
エンディングノートを購入したとしてもそれほど高額ではありませんので、大きな負担となることはないでしょう。
他には終活というと、お葬式やお墓について決める必要があります。
お葬式は生前のうちに決めるなんて縁起が悪いという方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、最近は生前のうちにどんな葬儀にしたいかなどを決める方も増えてきています。
人によっては音楽葬にしてほしいとか、身内だけにしてほしいとかいろいろな希望が出てくるものです。
また、葬儀は意外とお金がかかるものですが、自分の葬儀代は自分で払いたいという方も多いです。
ですから、生前のうちに葬儀社と相談をしてどれくらいの予算でどれくらいの葬儀を行うことができるかなど、相談するのも良いのではないでしょうか。
さらに、お墓についてですが先祖代々のお墓があって、そこに入ることが決まっている方は問題ありません。
しかし、なんらかの理由でそのお墓には入りたくない、あるいはお墓がないので建てなければならないという場合もあるでしょう。
そうなってくると今度はお墓をどこに建てるのか、墓石はどれにするのかなど決めますがお墓を建てるとなると当然それなりの費用が掛かります。
もし自分で自分のお墓を建てるのであれば、予算を決めて進めていく必要があります。
最近は自分で自分のお墓を建てる方も珍しくはありませんが、わざわざお墓を建てるくらいなら納骨堂を選ぶというケースも多くなってきているようです。
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まとめ
終活をするにはお金の整理が重要なポイントです。
- 財産を整理して何がどれくらいあるかリストアップする
- 財産を相続する場合、誰に何を相続するか遺言書に書く
- 葬儀やお墓の予算を考える
終活でお金の整理を行うにあたり抑えるのは主にこの3点です。
自分が他界した後に遺族に苦労を掛けないように、終活ではしっかりお金の整理も行うようにしましょう。